めっきの知識
アルミ材へのめっきプロセス 前編
以前、アルミ材への硬質クロムめっき処理に関する記事を掲載いたしましたが、
⇒アルミ材への硬質クロムめっき処理➀
この記事では、めっき処理のプロセスについて詳しくお伝えしたいと思います。
➀脱脂処理
粗材表面には、バフ加工時に使用される研磨剤やプレス加工時の潤滑油、防錆油、
さらには手の油が付着しています。これらの油脂は、
めっき液を弾くため、めっき皮膜の密着性が低下します。
脱脂処理とは、これらの油脂を除去するための処理を指します。
脱脂を行うことで、油脂が取り除かれ、めっき皮膜の密着性が向上し、
それぞれの本来の機能を十分に発揮できるようになります。
②エッチング
粗材の表面には酸化被膜が存在しています。
この酸化被膜は電気の通電を妨げる特性があるため、
めっきの密着性に重大な影響を与えます。
アルカリ液に浸漬し、酸化被膜を除去することで、
優れた通電性を確保することができます。
➂デスマット(スマット除去)
エッチングの過程において、アルカリ液に溶解しない銅やケイ素等、
元素(スマット)が表面に現れます。
これらの元素が存在することで、表面に粗さが生じるため、
酸性液に浸し、除去処理を行います。
アルミ材へのめっきプロセス後半へ続きます。