アルミ材への硬質クロムめっき処理

アルミ材への硬質クロムめっき処理

アルミ材(アルミニウム)への硬質クロムめっき処理は通常の処理とは異なり、
亜鉛置換、ニッケルめっき処理を行いその上に硬質クロムめっき皮膜を生成します。
絵図は当社での基本工程の一例です。

アルミニウムは空気中の酸素と反応し、その表面は酸化アルミニウム(Al2O3)の皮膜に覆われています。
この酸化被膜は化学的に安定な物質で、
硬質クロムめっき処理を施すには、この酸化皮膜を除去する必要があります。
しかし、硬質クロムめっきの場合、
この酸化被膜に覆われている表面を機械的に削りとったとしても、
めっき溶液に漬けた途端にめっき溶液による酸化反応により、
再度、酸化アルミニウムの被膜が形成され、
通常の手法ではめっき処理が不可能です。

そこで亜鉛置換を行ったのち、
下地めっきとしてニッケル被膜を生成させ、
その上に硬質クロムめっき被膜を蒸着することにより、
硬質クロムめっきの特性である高硬度性、摺動性、耐摩耗性を付与したアルミ製品が実現します。



鉄やステンレス、真鍮などへの処理とは異なり、
工程が多くなるだけめっき価格としては高くなる傾向にありますが、
軽量というアルミ材の特性を保有したまま硬質クロムめっきの特性を機能付与できるのは価格以上の付加価値を持てるのではないでしょうか。