硬質クロムめっき 特性②

硬質クロムめっき 特性②

硬質クロム 特性➀
上記記事の続きになります。


粗材との密着性
粗材との密着性においては、次の二つの条件が重要です。

1. 表面が化学的に清浄であること
粗材をアルカリ性の溶液に浸すことで、表面に付着した油脂や汚れを化学的に分解し、除去します。
使用されるアルカリ溶液には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムといった
強いアルカリ性の化合物が含まれています。
これらの化合物は汚れと反応し、脂肪酸の塩を生成することで、汚れを効果的に除去します。


2. 表面が適切にエッチングされていること
エッチングとは、粗材を陽極として使用し、
電気化学的手法によってその表面を溶解させるプロセスです。
このエッチングにより、粗材表面が溶解されることで
脱脂や洗浄が行われ、さらに表面がわずかに荒らされることによって、
めっき後の密着性が向上します。


耐熱性
硬質クロムめっきの熱処理における硬さの変化は、
200°Cから400°Cの範囲では緩やかに減少し、
400°Cを超えると急激に低下します。




磁性
硬質クロムめっき皮膜は、非磁性です。

離型性
硬質クロムめっき皮膜は、優れた離型性を持ちます。
硬質クロムめっき皮膜は、瞬時に表面が酸化し、
不働態化する特性を有しており、この酸化被膜の効果により、
他のめっきと比較して離型性が優れています。