めっきの知識

硬質クロムめっき　➀特性

硬質クロムめっき　➀特性

硬質クロムめっきは、
ハードクロムメッキや工業用クロムめっきとも称され、
めっき層は銀色で光沢があります。
このめっきの硬度はHv850から1000以上であり、
非常に高い硬さを誇ります。
以下のような多様な特性を有しています。


高耐摩耗
摩耗は、物質同士が接触し摩擦することによって表面が削られる現象であり、
さまざまな分野で課題となっています。
硬質クロムめっきはその高い硬度により、
優れた耐摩耗性を持っています。
このため、めっきが容易に剥がれることが望ましくない製品や環境において、
その有用性が発揮されます。


低摩擦係数

一般的に、摩擦係数が低い材料は滑りやすく、
高い材料は滑りにくいと考えられています。
硬質クロムは、他の電気めっきで形成される膜と比べて摩擦係数が低いため、
物体同士がスムーズに動くことができ、接触による製品への損傷も少なくなります。

高耐食性
クロムめっきは通常の環境下では安定性を保ちますが、
塩化物（例えば塩酸）に対しては激しく水素を発生しながら溶解します。
これは、塩酸のような非酸化性の酸が、
表面に形成された酸化皮膜を容易に溶解させるためです。
一方、アルカリ性の溶液に対しては、一般的に安定しています。

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