電気ニッケルめっきと無電解ニッケルめっきの違い②

電気ニッケルめっきと無電解ニッケルめっきの違い②

過去、紹介した電気ニッケルめっきと無電解ニッケルめっきの性質比較より
今回はそれぞれのめっきのメカニズムを踏まえて
メリット、デメリットについて紹介いたします。

過去の記事はこちらをクリック
電気ニッケルめっきと無電解ニッケルめっきの違い


無電解ニッケルでは還元剤(薬品)の力で
Ni(イオン)⇒Ni(金属)にするめっきのことで
反応式としては
NiSO₄+2NaH₂PO₂+2H₂O→Ni+2NaH₂PO₃+H₂+H₂SO₄
となります。

反応式の通り
①Ni²⁺がNiに還元
②次亜リン酸塩が亜リン酸塩に酸化
③水素ガスが発生
といった工程があるのでそれぞれで減った成分を
薬剤で補給する必要があります。

化学反応を利用しており、phや温度、濃度の適切な管理が必要であるので、
薬品費用含むランニングコストが掛かるため、比較的コストが高くなる傾向にあります。

電気ニッケルでは外部からの電気の力で
Ni(イオン)⇒Ni(金属)にするめっきのことで
詳しくは電気めっきのメカニズムで紹介しております。

こちらは半永久的に使用でき消耗したNiはアノードから供給する為
比較的コストが安くなります。


無電解ニッケルめっきのメリット
形状に関わらず均一なめっきが可能
電気ニッケルより耐食性・対塩性が高い
非磁性への変化など電気ニッケルでは得られない特性がある
硬度が高い(熱処理後Hv900~1000も可能)


無電解ニッケルめっきのデメリット
コストが比較的高い
phや温度、濃度の適切な管理が難しい
めっき工程で高温になる為、耐熱性が低い素材は出来ない


電気ニッケルめっきのメリット
無電解に比べてコストが安い
浴管理が比較的簡単である
めっきの析出速度が速い


電気ニッケルめっきのデメリット
電流分布や形状に応じて膜厚が変化し均一でない
耐食性・耐酸性が無電解より劣る
硬度が無電解より劣る






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