めっきの知識

無電解ニッケルめっきの応力とクラック制御
無電解ニッケルめっきの応力とクラック制御(硬度や耐久性に影響)
無電解ニッケルめっきは、電気を用いずに金属皮膜を均一に析出できる処理法で、
優れた寸法精度・耐食性・硬度などの特性を持ち、多くの産業用途で活用されています。
その一方で、めっき皮膜には「内部応力(Residual Stress)」が存在し、
条件によってはクラック(微細な割れ)や剥離などの不具合の原因となることがあります。
本記事では、無電解ニッケルめっきにおける応力の発生要因、クラックの特徴、
および応力制御による品質向上の考え方について解説します。
優れた寸法精度・耐食性・硬度などの特性を持ち、多くの産業用途で活用されています。
その一方で、めっき皮膜には「内部応力(Residual Stress)」が存在し、
条件によってはクラック(微細な割れ)や剥離などの不具合の原因となることがあります。
本記事では、無電解ニッケルめっきにおける応力の発生要因、クラックの特徴、
および応力制御による品質向上の考え方について解説します。
■ 無電解ニッケルめっきにおける「応力」とは
めっき皮膜における「応力」とは、
析出された皮膜が内在的に持つ引張または圧縮の力のことです。
この応力は、以下のような要因によって発生します。

析出された皮膜が内在的に持つ引張または圧縮の力のことです。
この応力は、以下のような要因によって発生します。

■ 応力が引き起こす現象とクラックの特徴
内部応力が高すぎる場合、以下のような現象が生じる可能性があります。

クラックは特に「高硬度処理を施した場合」や
「厚膜めっき」などで顕著になりやすく、
目的に応じた応力制御が重要です。

クラックは特に「高硬度処理を施した場合」や
「厚膜めっき」などで顕著になりやすく、
目的に応じた応力制御が重要です。
■ 応力の種類とリン含有量との関係

■ 応力とクラックの制御方法
めっき処理の安定化と品質向上のためには、
応力を適切にコントロールすることが重要です。
主な制御手法には以下があります。

応力を適切にコントロールすることが重要です。
主な制御手法には以下があります。

■ 遠州クロムにおける応力制御の取り組み
遠州クロムでは、中リンタイプの無電解ニッケルめっきを採用し、
応力が蓄積しにくい処方と運用体制を構築しております。
また、お客様の要求性能(硬度・耐食性)に応じて、
必要に応じた熱処理や浴調整を行い、
密着性・信頼性に優れためっき皮膜をご提供いたします。
「硬度を高めたいがクラックは避けたい」「長期信頼性の高い皮膜が必要」
といったご要望がありましたら、
最適な処理条件をご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
応力が蓄積しにくい処方と運用体制を構築しております。
また、お客様の要求性能(硬度・耐食性)に応じて、
必要に応じた熱処理や浴調整を行い、
密着性・信頼性に優れためっき皮膜をご提供いたします。
「硬度を高めたいがクラックは避けたい」「長期信頼性の高い皮膜が必要」
といったご要望がありましたら、
最適な処理条件をご提案いたしますので、ぜひご相談ください。