めっきの知識

めっきの環境規制と対応策
めっきの環境規制と対応策(RoHS、REACHなど)
近年、環境保護の観点から金属めっきに関する規制が厳しくなっています。
特に、「RoHS指令」や「REACH規則」といった国際的な規制は、
電子機器や工業製品の生産において重要な役割を果たしています。
ここでは、めっきに関わる環境規制と、
それに対応する方法について詳しく解説します。
特に、「RoHS指令」や「REACH規則」といった国際的な規制は、
電子機器や工業製品の生産において重要な役割を果たしています。
ここでは、めっきに関わる環境規制と、
それに対応する方法について詳しく解説します。
1. めっきに関する主な環境規制とは?
① RoHS指令(Restriction of Hazardous Substances)
RoHS指令は、EU(欧州連合)が制定した環境規制で、
電子・電気機器に含まれる有害物質を制限することを目的としています。
2006年に施行され、現在も規制対象物質が追加・更新されています。
電子・電気機器に含まれる有害物質を制限することを目的としています。
2006年に施行され、現在も規制対象物質が追加・更新されています。
物質名 | 主な用途 |
鉛(Pb) | はんだ、バッテリー、プリント基板など |
水銀(Hg) | スイッチ、蛍光灯など |
カドミウム(Cd) | 電池、顔料、めっきなど |
六価クロム(Cr⁶⁺) | 防錆処理、めっきなど |
PBB(ポリブロモビフェニル) | 難燃剤(プラスチック部品など) |
PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル) | 難燃剤(電子機器の絶縁材など) |
② REACH規則(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)
REACH規則は、EUが制定した化学物質の
登録・評価・認可・制限に関する規則です。
RoHS指令と異なり、対象が電子機器に限定されず、
すべての化学物質が規制対象となります。
特に、REACH規則ではSVHC(高懸念物質)として
指定された化学物質を厳しく規制しています。
登録・評価・認可・制限に関する規則です。
RoHS指令と異なり、対象が電子機器に限定されず、
すべての化学物質が規制対象となります。
特に、REACH規則ではSVHC(高懸念物質)として
指定された化学物質を厳しく規制しています。
2. 環境規制への対応策
① 環境規制に適合しためっき技術
代替技術 | 特長 |
三価クロムめっき | 六価クロムを含まない防錆処理で、安全性が高い |
無電解ニッケルめっき | 均一なめっき膜を形成し、耐食性に優れる |
鉛フリーめっき | RoHS指令に適合した鉛不使用のはんだめっき |
② 各国の規制に対応した材料選定
環境規制はEUに限らず、日本やアメリカ、中国など
各国で異なるルールが存在します。
そのため、対象市場ごとに適合する材料を選定することが重要です。
例えば、日本ではJ-Moss(JIS C 0950)という規制があり、
RoHS指令と類似した基準で管理されています。
各国で異なるルールが存在します。
そのため、対象市場ごとに適合する材料を選定することが重要です。
例えば、日本ではJ-Moss(JIS C 0950)という規制があり、
RoHS指令と類似した基準で管理されています。
③ 環境認証の取得
企業によっては、環境対応を証明するために
ISO 14001(環境マネジメントシステム)などの認証を
取得するケースも増えています。
これは、製品の環境負荷を低減し、
持続可能な生産を推進する取り組みとして評価されます。
ISO 14001(環境マネジメントシステム)などの認証を
取得するケースも増えています。
これは、製品の環境負荷を低減し、
持続可能な生産を推進する取り組みとして評価されます。
3. まとめ
環境規制は年々厳しくなり、
めっき業界においても規制に適合した技術と材料の選定が不可欠となっています。
RoHS指令やREACH規則に対応することで、
国際市場での競争力を維持しながら、
環境負荷を低減することが可能です。
今後も、環境に配慮しためっき技術の開発と適用が求められます。
めっき業界においても規制に適合した技術と材料の選定が不可欠となっています。
RoHS指令やREACH規則に対応することで、
国際市場での競争力を維持しながら、
環境負荷を低減することが可能です。
今後も、環境に配慮しためっき技術の開発と適用が求められます。