めっきの目的

めっきの目的

めっき処理の目的には装飾、防蝕、表面硬化、機能性付与(機械的・電気的・磁気的・光学的特性)があります。

1.装飾
装飾めっきは時計やアクセサリー、
車のエンブレムや万年筆など日常生活のありとあらゆるところで目にすることができると思います。
日本では金などの貴金属でめっきした卑金属(鉄など)が外観の高価さとは反比例して価値を持たない比喩として、
これまで偉大と思われていた人物が実はそうではなかったと判明したときに「めっきが剥げた」という表現が使われますが、
装飾めっきは安価のものをより輝かしく見せる点において非常に優れています。

2.防蝕
防蝕は腐食(サビなど)から品物そのものをコーティングして守ったり、
犠牲防食といい、品物よりイオン化しやすいめっきをあえて施し、
表面のめっきを腐食させることにより品物そのものの腐食を防ぐなどの方法があります。
(建築資材で使用される鉄素地に亜鉛めっきを施したトタンなど)
弊社では膜厚の均一性と全面めっきで素材面全体をコーティング可能な無電解ニッケルでの腐食を防ぐことがでいます。
防蝕の試験としては塩水噴霧試験がポピュラーです。

3.表面硬化
名前のとおり、めっきによ表面を硬くすることでキズや打痕の抑制、
磨耗を防ぐことができます。
弊社ではアルミ素地に硬質クロムめっきを施すことにより品物を軽量化したまま硬度を上げています(900HV≦)。
ベルトが摺動する歯面に硬質クロムめっきを行うことにより磨耗を抑制でいます。

4.機能性付与
装飾めっきとは反対に機能性を重視しめっき処理を行います。
上記の表面硬化も機械的特性のその一つですがめっき表面に発生する微細なクラックを利用し、
潤滑油を浸透させ潤滑性を得る等に使用されます。

その他、めっきには様々な用途によって品物をより良くする力を「箔を付ける」の言葉どおり持っています。
アイディアと知識の幅を拡げればまだまだ新しい用途・目的に出会える可能性を秘めている表面処理技術です。