めっきの密着性試験

めっきの密着性試験


めっき皮膜は使用環境にもよりますが、摩耗・衝撃により徐々に劣化していきます。
めっき皮膜が剥がれてしまうと外観はもちろん、防錆等のさまざまな機能が失われてしまいます。

今回ご紹介するものは金属表面に施されためっき皮膜の剝がれにくさ(密着性)を検証する試験です。
めっきの密着性を評価する試験方法はめっき皮膜の種類、膜厚によって様々です。
専用の設備がなくてもできる密着性の試験方法をいくつか紹介します。




テープ試験
その名の通り、粘着テープを使った試験になります。
JISで規定された粘着テープをめっき面にはり付け、これを急速にかつ強く引きはがすことによって、
めっきの密着性を調べる試験方法です。


比較的、被膜の薄い貴金属めっきなどには適していますが、
硬く厚付けのめっきにはあまり向いていません。




曲げ試験
万力を用意し、半径4~10mmの当て金と試料を挟み固定し、
90°曲げて元に戻す。
次に試料を反対側に曲げて元に戻す。
この操作を定められただけ繰り返し行う試験方法です。

素地金属の厚さが2mm以上の場合は適用されません。



やすり試験
めっき面に対して垂直に切断した試料の断面又は端面を、素地の方向からめっき面に対して45°の角度で
JISで規定されたやすりで削って、めっきの密着性を調べる試験方法です。

やすりより硬いクロムめっきや硬質ニッケルめっきなどのめっきは適用されません。




どの方法も非常にシンプルな方法ですが、
JISによって正式に定められた試験です。

ここで紹介した以外にも様々な密着性の試験があり、めっき皮膜や粗材の
特性を踏まえた適切な密着性の試験を行う必要があります。